それぞれに原因はある。

 今の高校生活で初めて遅くまで残って喋ってた。

 中学のときは居心地がいいから自然と残ってばかりだったけど、今日は俺が怪我をしていたおかげで、いいきっかけが作れた。

 自分にとって放課後の時間というのは、本音を言うことが少しはできるし、他の人もそれは同じだと思う。

 だからこそ今日はいろんな人の事が聞けてよかった。

 いつもの人だと、すぐに帰っちゃうからそういう話が出来ないんだよね。

 で、Pへ…俺っていままで謝ってなかったような気がする。ゴメン。

 俺が思うに、放課後は大事な時間。なかなか話せないことを話せる大切な時間。

 本音をいえるから、本人とマジで話せる時間でもある。

 そして考えた。「世の中矛盾ばかり」

 自分自身にも矛盾はあるし、周りも矛盾だらけ。

 そんな矛盾を無くしたくて…。

 思い出したあの日は…もうもどってこない…

 俺の夏は…もうもどってこない…

 そんな夏の時間が止まっている。

 進めることが出来ない自分。そして、止まりつづける。

 自らの思いは募るばかり。しかし、そんなことは言ってはいけない

 もう、思い出してはいけない。

 自分という存在が嫌だった夏。

 こんな自分は泣くことしか出来ず、最後には涙すら出なかった。

 そして、夏は終わり…まだ時間は止まっている。

 自分の中のAの存在、そしてTの存在とKの存在。

 ごちゃごちゃになってる。どうすべきかわからない。

 俺は弱い。すごく弱い。こんな自分に押しつぶされそうになっていて、さらに自分で思ったことすら実行できなくて、自分を無力に感じて…

 俺は止まり続けている…