書き溜めていたひとつ。
最近書き溜めていたものをひとつ出してみようかなと思う。
眠る間際になると、彼はぼやき始める。
自然と出てくる言葉…いや、台詞とでも言った方が良いのだろうか。
台本のない、お話。
そこで繰り広げられるお話は全て彼が作り上げてきたもの。
主人公は彼。
彼はいつも後悔している。お話の中で懺悔している。
許しを請うために、ただ只管語り続けている。
ひとつふたつ話が終えると、彼は安らかに眠りに入っていく。
何かから解き放たれたように、つい先ほどまで泣きじゃくっていた顔は穏やかになり、背中はベットとくっついたように落ち着きを見せる。
翌朝、起き上がる彼は顔を歪めていた。
夢に魘され、涙し、起きるや否やそれが再び蘇る。
…悲しい、現実だと。
そして再び夜になる。
永遠に続く彼の物語。