忘れられる何か。

 同じ自分であるという事を忘れるために、違うモノに没頭する。
 誰もそばに居てくれないのが分かっているから、自分がそれを分からないように意識をそらす。

 ただ、それが無くなったときの異様なまでの喪失感と孤独は、辛いとしか言えない。
 …言葉で言えたもんじゃないから、無意識は自然と新しい興味というものを造り上げる。
 そうして繰り返す。

 そう。
 暗闇はこうやって自らを写す。

 またなんだ。
 誰も知らない、最低な俺。