こういうことはあまり言いたくなかったんだけど…

 今日、ガッコで「死ね」「飛び降りる」とかいう会話をしていた某〜〜たち。

 いままで、そんなことを言ってる人たちを幾度となく見てきた。

 俺には許せない。

 冗談のつもりかもしれないけれど、「死ね」だなんて軽々しく使わないで。

 俺にはJという、幼なじみがいる。

 その子はスポーツ万能、誰からも親しまれている、そんな人である。

 いや、そんな人であった…

 しかし、ある日突然…Jは………倒れた……………

 俺は信じられなかった。あのJが……倒れたなんて……本当に信じられなかった。

 大したことはないと思っていた。

 しかし……Jは…………脳梗塞によって…倒れたのだった。

 本当に信じられなかった。

 あのJがそんな状態にあることを…

 1度は調子が良くなったらしい…が、2日ほどした頃だったのだろうか……症状が悪化した。

 そして悪化した直後には会話もろくに出来ない状況だったらしい。

 そんな事実を俺は…3週間近く現実として受け止められなかった。

 その時期、Jと同じクラスではなかったが、たまたま俺は学級委員をやっていたので、そのクラスの学級委員と話す機会も多く、また大きな行事も近づいていた。

 「そんな行事をする気分じゃない。」

 本当にそう思った。でも、みんなの前でそんな表情は出さなかった。

 その頃、Jのクラスでは折り鶴を折り始めていた。

 多くの人がそれに加わっていた。

 そして、Jの誕生日。折鶴は届けられた。

 そして、新年をあけた。

 いつ頃だっただろうか…記憶があいまいになっている。

 ナゼカあいまいな記憶。本当にあいまいだ。

 行事が終わったころだったろうか…Jは戻ってきた。本当に嬉しかった。

 注意が必要とはいうものの、それだけで心の中が張り裂けそうなほど嬉しかった。

 でも、完全…というわけではなかった。

 いまだに不自由なところはある。でも、Jは頑張って少しでもよくしようとしている。

 そんなJを見ていると…本当に……いてくれるだけで嬉しいって気持ちになれた。

 そんなこんなで、4月になった。

 Jと同じクラスになれた。

 なんか…嬉しかった。

 元気が出てきた。Jを見ているだけで。

 「俺も頑張らなくちゃ」って思えた。

 生きているだけで意味はあることを教えてくれた。

 ただいてくれるだけで…人は幸せになれることを教えてくれた。

 だから、「死ね」だなんて言ってほしくない。

 どんなに冗談だからといっても…言ってほしくない。

 こんな俺だから言えると思う。

 もし、Jが今いなかったら俺は…こんな気持ちになれなかった。

 ありがとう。

 「死ね」って言葉にどんな意味がある?

 本気で何も考えてないから言えるんだよね。

 そんな意味のない言葉なんて…言葉じゃない。