溢れかえり、襲ってくる。
言葉が怒涛の勢いで襲ってくる。
聞き慣れていたものが全く違う音のように感じる。
声を掛けられ、一瞬何を言われたか判断がつかなくなる。
酸っぱくて無味な、ほうれん草と麦のサラダ。
ざらざらでボロボロで、鼻を締め付けるようなチーズ。
香りも味もない、アメリカンコーヒー。
塩辛い味噌ラーメン。
はじめて感じる辛さのタイカレー。
芳醇なワイン。
塩辛くない生ハム、サラミ。
奥行きを感じる食事。
襲ってくる言葉も、感じて過ごす。
自分の知ってるものから、感じる。
それもまた、通じるもの。
遠い遠い国で、感じるもの。
一瞬のうちに過ぎていく時間の中で、思うこと。
その為に生きること。
不思議なもので、不思議なもので。
行ってみないとやっぱり、わからない。
行ってみてもまだ、わからない。
わかることなんてないと思いながら。
でももっと知りたい、そう思いながら。
やっぱり自分は、旅をする。
片言の英語で、身ぶり手振りで。
わからない言葉を感じながら。
きっとまた、旅をする。