少し手を伸ばせば、すぐそこに外の世界は広がっているのに
見渡せる範囲の世界でしか、過ごせない
その中に居るとき、物理的に僕は一人で居るのに
何故かどこかからの刺すような人目を感じてしまう


僕が無力になるときは、他人を踏み台にしなくなったときで
元気なときは他人を利用しているんだって
ある人の言葉を聞いて、そう感じたんだ


昨日も一昨日も、一夜で何度も夢を見たんだ
何度も夢にうなされて、夜に起きるんだ
気付いたときにはもう朝になっていて、半日ちかく寝ていたんだ
だけれどもまだ、身体は重くて、疲れていたんだ


電話が鳴った
けれども僕はすぐに取れなくて、今度は僕からかけたんだ。
100分くらい話したんだけどさ、僕は数分しか話してなくて
残りは殆ど相手が話していたんだ
ゴメンなさいって、あのときの事を思ったんだ


僕の安請け合いが原因で、最後に辛くなるもの僕
ただそのときには想像していなかった以上の辛いものが
凄く奥から突然噴き出してきたんだ
ゴメンなさい 本当にゴメンなさい


唐突に噴き出す感情に、行き場を失った想いに
手をつけることは僕自身にすら出来なくて
大声で叫びたいときも、おもいきり殴りたいときも
何かに当たることなんて出来なくて
もやもやしたまま、ただ過ごして
汚いものは全てノートに綴られる


物音に反射的に反応する
それは階段を上る音であったり、チャイムの音であったり
他人が近寄ってくる音に僕は怯える
また来た 堪らず僕はイヤフォンで耳を塞いだんだ


今こうして生きている事を感じられなくて
僕がこうして存在している事を感覚として得られない
なんとなく、浮いているだけで、なにもない
今までの仕草や考えなんて、全て他人から譲り受けた借り物だった
借り物を手に抱えて、身につけて、自身の物を身につけていない僕は
それを取り返された時には何も持っていない
寒くて、どうにもできなくて、また借りようと辺りを彷徨う


もう戻れない
それに気付いてしまったもの